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JAILA 第7回全国大会報告(2018年3月10日 鶴見大学)

 JAILA第7回全国大会(平成30年3月10日、於鶴見大学)のご報告をさせていただきます。今大会も多くの方にご参加いただきましたこと、心よりお礼申し上げます。
 当日行われました研究発表、ワークショップ、ポスターセッション、シンポジウムの様子をご紹介いたします。
 またプロシーディングズも掲載しておりますので是非ご覧ください。

 なお、第8回全国大会は、2019年3月16日(土)に兵庫県立大学姫路環境人間キャンパスにて開催されます。

 

研究発表の様子

金谷和香先生、寺西雅之先生
金谷和香さん、寺西雅之先生

乾美紀先生
乾美紀先生

橋本英司先生
橋本英司さん

岩中貴裕先生
岩中貴裕先生

草薙優加先生
草薙優加先生

深谷素子先生
深谷素子先生

小林めぐみ先生
小林めぐみ先生

マーティン宏美先生
マーティン宏美先生

北和丈先生、樫村真由先生
樫村真由先生、北和丈先生

佐藤大介先生、鈴木瞬先生
佐藤大介先生、鈴木瞬先生

和田あずさ先生
和田あずさ先生

竹野純一郎先生、松浦加寿子先生
竹野純一郎先生、松浦加寿子先生

阪田昌樹先生
阪田昌樹先生

麻生雄治先生
麻生雄治先生

大西好宣先生
大西好宣先生

David Kennedy先生
David Kennedy先生

杉本裕代先生
杉本裕代先生

庄司俊恵先生
庄司俊恵先生

Charles Cabell先生
Charles Cabell先生
 

溝端剛先生、上野輝夫先生、半田結生先生、有田伸弘先生
溝端剛先生、上野輝夫先生、
半田結先生、有田伸弘先生

Joff P N Bradley先生
Joff P N Bradley先生
 

大橋一隆先生
大橋一隆先生

坂本南美先生
坂本南美先生

鈴木瞬先生
鈴木瞬先生

ワークショップの様子

ワークショップの様子(1)
ワークショップの様子(1)

ワークショップの様子(2)
ワークショップの様子(2)

 

ポスターセッションの様子

ポスターセッションの様子(1)
ポスターセッションの様子(1)

ポスターセッションの様子(2)
ポスターセッションの様子(2)

 

シンポジウムの様子

シンポジウム(1)
小比賀美香子先生のご講演

シンポジウム(1)
奥聡一郎先生

シンポジウム(1)
奥田恭士先生

シンポジウム(1)
寺西雅之先生

シンポジウム(1)
シンポジウムの様子

 

受賞

受賞(1)
優秀ポスター賞を受賞された角ケ谷晴香さん.

受賞(2)
優秀発表賞受賞者の皆さん(右から北和丈先生、土屋結城先生、伊澤高志先生、樫村真由先生と寺西会長)

 

開催校の皆さん

開催校鶴見大学の皆さん.
鶴見大学の皆さん

   

懇親会の様子

懇親会の様子(1)
懇親会の様子(1)

懇親会の様子(2)
懇親会の様子(2)

懇親会の様子(3)
懇親会の様子(3)


プロシーディング/発表資料(PDF形式)

※ プロシーディング、発表資料はPDF形式となっております。ご覧いただくためには、PDF閲覧用ソフトが必要です。下表のBrowseボタンをクリックしても表示されない場合は、以下のアドビシステムズ社のサイトからPDF閲覧ソフト(Adobe Reader)をダウンロード、および、インストールしてください(フリー)。

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※ ポスターセッションの概要については、大会概要(PDF)(第2版) をご覧下さい。

No.

題目

発表者 proceedings 発表資料
1 ディベートの文体:米大統領選テレビ討論会の分析を題材に 金谷和香
寺西雅之
proceedings  
  文部科学省が高校英語にディベート中心の新設科目を検討する等、英語によるスピーキング力の育成は益々重要度を増している。英語学習教材に関して言えば、バラック・オバマ前大統領のスピーチの教材化等が示す通り、政治家によるスピーチへの注目度は高いが、同じ政治であってもディベートが取り上げられることは比較的少ない。そこで本発表では、2016年の米大統領選においてドナルド・トランプ氏とヒラリー・クリントン氏が行ったテレビ討論会を取り上げ、まず両候補者の英語の文体的特徴について分析を行う。また、それぞれの文体とその視聴者への影響、さらには会話やディベート教育への応用の可能性についても分析・考察を行う。
2 ラオスにおける法整備に向けた法学教育の現状と課題―首都と地方の比較研究― 乾美紀
橋本英司
proceedings  
  本発表の目的は、東南アジアの途上国ラオスの高等教育機関における法学教育の実態と課題を明らかにするものである。法整備の途上にあるラオスにおいて、これまでどのように法学教育がなされ、そのなかで何が問題点として考えられてきたのか、そしてその問題点を改善するために現在どのような取り組みがなされているだろうか、これらのことを都市部と地方の高等教育機関を比較しながら解明していく。
3 図書館での「ぬいぐるみお泊まり会」活動から考える不可知論 —科学的思考と想像力の境界線 杉本裕代    
  アメリカの図書館で行われている「ぬいぐるみお泊まり会」(Stuffed Animals Sleepover) は、2010年以降、日本の図書館でも様々な形で導入され、人気イベントとなっている。本発表は、申請者が運営協力者として2015年から参加している世田谷区立中央図書館での「ぬいぐるみおとまりかい」の実践を通じて、子どもたちの反応などを参考にしながら、この活動が、子どもたちの科学的思考や想像力、ひいては、不可知の存在とどのように向かい合うかを考える思考訓練の場として、どのように機能するか考えたい。
4 読後ディスカッションで何が語られているのか:書記記録分析の試み 草薙優加
深谷素子
小林めぐみ
proceedings  
  本発表者は多読を基盤に英語力向上のみならず、自律的・主体的な読み手の育成、読書コミュニティの創生、より深い思考を促す読書活動を実践してきた。その中で見出した効果的な活動の一つに、対話の参加者が自由に意見を述べて「集合知」を生み出すディスカッション活動World Caféがある。本発表では、英語絵本Voices in the Parkを題材として行ったWorld Caféで、実際に何が生み出されているのかを、二つの参加者グループ(教員・研究者と大学生)の結果比較から考察し、教育上の課題と手立てを提案する。
5 演劇ワークショップが大学生のコミュニケーションに対する態度に与える影響―定性データに基づいた分析― 岩中貴裕    
  本研究の目的は劇を創って上演するというプロセスが大学生のコミュニケーションに対する態度に与える影響を明らかにすることである。調査参加者は5~6人で構成されるグループで劇を創って上演するというプロセスに従事した。調査開始時と調査終了時に調査参加者の「コミュニケーション不安尺度」と「協同作業認識尺度」を測定した。また調査終了時に演劇を創るというプロセスを通して学んだことをレポート提出するように指示した。本発表では、レポートをQDAソフトで分析した結果の一部を報告する。
6 The Effects of Pushed Output Activity in Written Recall Task マーティン 宏美 proceedings  
  This study investigates the effects of output with noticing in a written recall task. The participants were 56 university students who are enrolled in a course of listening and speaking. For the study, 20 out of the 56 students’ data were collected. The participants were divided into two groups: an input-only group and an input-output-input group. They carried out a multi-stage written recall task. They listened to the same passage twice, and rewrote it. The result revealed that the input-output-input group was affected by noticing in their output recall protocols more than the input-only group.
7 大学入試センター試験が映し出す英語―電子コーパスとして読む英語問題 北 和丈
樫村真由
伊澤高志
佐藤繭香
瀧口美佳
土屋結城
   
  大学入試センター試験に用いられる英語は、受験者の視点から問題としての難易度等を分析して消費される対象でこそあれ、日本の英語学習者の多くに「英語」という言語の典型像を示してきた発信者としての側面が省みられることはなく、あまつさえその像の代表性や妥当性が論じられることはほぼ皆無である。本発表は、総体として電子コーパス化した大学入試センター試験の英語問題を、ほかのいくつかの電子コーパスと比較・分析することで、前述の問題に取り組むうえでの足掛かりを得ようとする試みである。
8 英検二次面接試験「準2級」の絵の描写で用いられる動詞の特徴 竹野純一郎
松浦加寿子
   
  本研究では、高等学校卒業段階で到達しておきたい英語力である英検準2級を取り上げ、英検二次面接試験の絵の描写で用いられる動詞を分析することで、そこに現れる動詞の頻度や用いられ方などの特徴を示した。英検準2級の二次面接試験で使用される問題カードには二つの絵が記載されており、それぞれ描写を求める設問がある。今回の分析では、2007年度第1回から2016年度第2回までの10年間分のデータを用いた。
9 地域貢献活動のための自己評価を促すコモン・ルーブリックに関する実践的研究(1) ―学修プロセス構造の可視化を目指して― 佐藤大介
鈴木瞬
高橋香代
   
  本発表は、本学での平成26年度「地(知)の拠点整備事業」における学生による様々な地域貢献活動に対して共通活用できるルーブリックの開発に関する実践的研究の報告である。学生による自己評価を促すルーブリック開発を試案し、実践力・対人関係力・地域志向への主体性に関しての成長プロセス=学修プロセスを学生が確認しながら次のステップに進むことが可能な尺度設計・記述を行い、到達目標を明確にしたルーブリックを開発した。
10 日本の伝統芸能「落語」が海外での日本語教育におよぼす効果 阪田 昌樹
松田眞奈美
大内幹雄
proceedings  
  発表者は数年前から「英語で自己表現する」手段として「英語落語」に着目し、現在は「英語表現Ⅰ」の授業で「英語落語」を副教材とした指導を実践している。3年前にオーストラリア・パースをボランティア訪問し「英語落語」を紹介する機会を得た。以来、現地で日本語を学ぶ学生を対象に日本語の小噺(ショート落語)を題材とした日本語指導を展開している。本発表では「英語落語を通した英語指導」の逆バージョンともいえる手法が現地の日本語教育にどう影響をおよぼしたのかを報告する。
11 新学習指導要領における英語音声指導内容の検討- “intelligibility”の概念整理をとおして- 和田あずさ proceedings  
  新学習指導要領では、従来以上に音声に関する内容が詳述されており、音声指導をより重視していることがうかがえる。本発表では,英語音声指導における共通認識としての「intelligibility」の概念整理をとおして、新学習指導要領の音声指導内容を批判的に検討するとともに、今後の音声指導に対する教員の認識に関する事例を紹介する。
12 英語スピーキングの流暢さを促す指導の工夫 麻生雄治    
  昨今の日本の英語教育ではこれまでよりスピーキングが注目されるようになり、授業でも英語を話す練習をする機会が増えつつある。英語スピーキング力を高めるにはまず流暢さを鍛えるべきとする指摘があるが、具体的にどのような練習が流暢さを促すことに効果があるだろうか。本発表では、スピ―キングの流暢さを高める指導(練習)において、①ワードカウンターの使用の有無の違いによる効果、②プレ・スピーキング活動の違いによる効果、③話すテーマの違いによる効果について述べる。
13 新聞報道とグローバル人材 大西好宣 proceedings  
  今世紀に入り、それまでの「国際人」に代わって「グローバル人材」という言葉が頻繁に用いられるようになり、教育界ではその育成方法や現状評価についての議論が年々活発になって来た。そこで本発表ではまず、グローバル人材育成のための政策や世論の移り変わりについて主要な先行研究を紹介する。そして、主要なマスメディアの報道を振り返りつつ、具体的な数値やエビデンスを示しながらグローバル人材をめぐる議論の功罪を考察したい。
14 英国の地方都市における移民問題 庄司俊恵 proceedings  
  イギリスの地方都市ルートン(Luton)はロンドンから北へ約50kmに位置し、ロンドンへのアクセスがしやすい。また空港も完備している。実態は2004年にイギリス国内で最悪の場所という調査結果が出た。その後、治安は少し回復したが依然犯罪率は高い。イスラム系移民が多く人口20万人中、約5万人がイスラム教徒である。[2011年当時] 2017年3月ウェストミンスター橋近くで起きたテロの実行犯がルートンと関わりある人物であり、他のテロ事件もルートンのイスラム過激派が関与していたことがあり、 ジハードの温床地と非公式に言われている。
15 関西福祉大学における文章力向上の取り組みについて 溝端 剛
上野 輝夫
半田 結
有田 伸弘
   
  関西福祉大学では、平成28年度に自主講座として「文章力養成講座」を実施した。平成29年度は、その効果を踏まえ、さらに発展させる形で、「キャリア形成Ⅰ」(前期)及び「キャリア形成Ⅱ」(後期)という1年次生必修科目の中で、日本語力(国語)の向上に取り組んできた。発表では、その概要と、各学期に実施したPre-test、Post-testの結果を踏まえた授業の効果、添削指導を通じた大学1年次生の文章力の現状と課題について報告する。
16 Reinvigorating the Liberal Arts as Transformative Praxis in the Japanese University David Kennedy proceedings  
  This paper examines the current state of foreign language education in Japanese universities as illustrative of the troubling conditions facing the liberal arts (i.e. the transformative arts) in a globalized neoliberal milieu. While utopian ideals in education have long insinuated pedagogies that inspires personal agency, creative investment, challenge to power, and social change, this imagining of incalculable futures has over the past few decades been steadily eroded by the seemingly inevitable and confluent forces of a hyper-networked world, represented most forcefully by the socioeconomic reductionism of neoliberal globalist determinism. This paper proposes a reinvigoration of constructive and engaged pedagogies of resistance to these trends, encouraging a repositioning of Japanese learners within sustainable, self-creating discourses—those fostering critical engagement and enabling heightened possibilities for trans-generational transformation of cultures.
17 Censoring National Shame: A Comparative Lesson on Japanese Postwar Denial of the Wartime Effort to Eradicate Korean Culture with American Unwillingness to Confront the Aerial Bombing of Civilian Populations in Japan, Korea and Southeast Asia Charles Cabell    
    One way to help students deal with histories of state violence against others that they may consider to be ‘shameful’ is to place such episodes within a comparative framework that allows them to see how national subjects in a removed setting confront such violence. Seeing how social structures provide powerful actors with opportunities to speak and control dominant discourses while silencing voices of dissent helps students realize the moral imperative to try to listen and empathize with minority groups (such as foreigners) referred to within postcolonial theory as the subaltern.
  In this presentation, I provide a thorough overview of the well documented historical evidence supporting Japanese efforts, led by colonial administrator MINAMI Jiro, to eradicate Korean culture at the end of WWII by abolishing Korean names, family structures, religion and language. Japanese students are astonishingly ignorant of this violence, whose memory remains central to Korean identity today.
  American students are similarly ignorant of the use of indiscriminant carpet bombing intended to kill maximum numbers of civilians in Japan, Korea, Vietnam, Laos and Cambodia, and have seldom considered the ethical questions that arise when bombing largely defenseless populations through the air. They are similarly ignorant of the aftermath of such violence, including the overwhelming trauma that follows. Scholars and activists, of course, are much more willing to confront uncomfortable historical facts and provide students with models of how to distinguish patterns of cruelty within nations while still recognizing their praiseworthy qualities.
  Students emerge from these comparative lessons with a heightened awareness of disparate forces within nations and the need to vigilantly monitor how state power is exercised. They also become aware of the suffering of others caused by their own nation states and are encouraged to find ways to acknowledge it and recognize similar manifestations of violence in the present.
18 On Teaching Multiliteracies and Multiperspectivism Joff P.N. Bradley    
  Having students think philosophically in the foreign language class in Japan about postmodernism or poststructuralism might appear any impossibility for some and a waste of time for others. However, this presentation contests this view by proffering a multiliteracies approach to the problem of considering different points of view. Although having students adopt different perspectives (feminism, post-colonialism and all the other isms) seems fraught with numerous difficulties, in this presentation I set out a critical media and multiliteracies approach to the problem at hand, suggesting some ways in which various media and different forms of multiliteracies (TV commercials, film, political cartoons etc.) may help inspire students to adopt alternative perspectives and to think critically about the world at large. For example, how might different genders, social classes, ages, colonial subjects and races, changing identities and viewpoints approach a particular set of problems? How might the perspective of feminism, LGBT, different subcultures or legal statuses inform a particular debate? What are the differences between the Western, Eurocentric view of knowledge and the Asian-centred or multicultural stances? We shall end by asking the philosophical question: Is it possible to understand the whole?
19 擲銭法による易占での使用硬貨に関するノート 大橋一隆   handout
  易占において、硬貨を投げてその裏表により卦を得る方法を擲銭法という。実占における硬貨としては、乾隆通寶等の清朝の古銭や専用の風水銭が好まれることが多い。本質的には裏表のある手頃な大きさの硬貨であれば良いので、本研究では、これまでほとんど用いられることのなかった近代日本硬貨について取り上げる。近代日本硬貨を使用する利点としては、並品以下の物の活用や易の海外への紹介が容易になる等のメリットがあげられる。本発表では、近代日本硬貨を活用するための目安について考察する予定である。
20 日本の公立中学校に勤めるALTの同僚性に関するナラティブ研究 坂本南美 proceedings  
  日本の学校に勤めるALT(Assistant Language Teacher:外国人指導助手)は英語教育において重要な役割を担っている。その中で、姉妹都市との交流で来日したアメリカ人ALTが中学校でのティームティーチングの英語授業を通して、JTE(Japanese Teacher of English:日本人英語教師)との同僚性を育みながら授業の実践力をつけていく様子を彼のナラティブから質的に探求する。
21 地域貢献活動のための自己評価を促すコモン・ルーブリックに関する実践的研究(2)―学生の自己評価分析から見える成果と課題― 鈴木瞬
佐藤大介
高橋香代
   
  本発表は、「地域貢献活動のための自己評価を促すコモン・ルーブリックに関する実践的研究(1)」において開発したルーブリックを活用した学生による自己評価分析の報告である。2016年度入学生へ2016年10月、2017年1月に行った自己評価、及び2017年度入学生へ2017年4月、7月、2018年1月に行った自己評価結果を分析し、地域貢献活動による学修プロセスを可視化するための指標としての成果と課題について検討し、コモン・ルーブリックの改良を図る。
ワークショップ 大人にもアニマシオン!- スペイン式読解力育成のすすめ 河西由美子    
「読書へのアニマシオン」とは、1980年代にスペインのマリア・モンセラット・サルト (Maria Montserrat Sarto)氏が開発した若い世代の読む力を育てるメソッドです。日本には2000年ごろに紹介されました。児童からティーンエイジャーが対象ですが、大学生や成人など、すべての世代の読者に、自らの読む力を見直すワークショップとして好評です。今回は絵本を用いた体験講座を実施いたします。
シンポジウム 文学は医療に貢献できるか~物語・文体・認知の視点から~ 小比賀美香子
奥田恭士
奥聡一郎
寺西雅之
proceedings  
  本シンポジウムでは、文学と医療・看護分野の接点である「ナラティブ・メディスン」に焦点をあて、物語・文体・認知の視点から医療における文学の役割および貢献の可能性について考える。まず基調講演では、小比賀美香子氏が医療現場におけるナラティブの意味と活用例について問題提起し、引き続き奥田恭士氏、奥聡一郎氏、および寺西雅之氏が物語論、文体論等それぞれの視点から具体的な分析事例を提示する。取り上げるテクスト候補は、カズオ・イシグロの小説(文学)、ライフレビュー(介護老人保健施設入所者による語り)、さらに文学と非文学の中間ジャンルである『潜水服は蝶の夢を見る』、『脳に棲む魔物』等である。4名の講演・発表に続き、フロアの質疑を含めて活発な意見交換を行いたい。
招聘講演 医療におけるナラティブ 小比賀美香子    
  医療におけるナラティブ・アプローチには、欧米を中心に複数の流れがある。そのうち、リタ・シャロンのナラティブ・メディスンは、「病いのストーリーを認識し、吸収し、解釈し、それに心動かされて行動するというナラティブ・コンピテンス(物語能力)を通じて実践する医療」と定義される。その主要概念は、Attention(配慮)、Representation(表現)、Affiliation(参入)である。本発表では、ナラティブ・メディスン・ワークショップへの参加経験と、物語能力の涵養のために始めた医学生向けのトレーニングについても紹介し、文学が医療にどのように貢献できるのか、医療現場から、内科医・医学部教官という立場で考えてみたい。
           

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